憧れたあの街

今週のお題「好きな街」

学校を考えるにあたり、○○県や△△△県にある学校も受験したいなどと考えた。しかし、学力の関係で□□県の学校を受験することになった。□□県は「人生で行くことのないだろう都道府県ランキング」の上位にあり、実際受験するときが初めて訪れた時であった。志望校を落とさなければならなかったし、田舎と聞いており、最初は期待できなかった。しかしどうだろう、ネットで学校周辺を調べると魅力が大変ある街だった。

その学校のある市は□□県の県庁所在地ではないが、県内では県庁所在地の次か、また次に規模の大きい市だった。元城下町で城がきれい。近くにある山も富士山ぽくていい。夏のお祭りも目を見張る見所たくさん。桜並木もきれい。そして、明治時代のレンガ造りの建築などが残っており、所々趣のある街だった。

受験が迫るほどに、その街での一人暮らしの生活を思い描き、勉強にも身が入って、合格してやるという気持ちが大きくなった。しだいにこんな所(自宅)に住んでいるより、あそこで一人暮らしする方がずっとましだと思うようになった。実家のある街のお祭りなんて参加したことないし、これからも参加しないんだし、どうせならあそこでのあの街のお祭りに参加し、あの街を愛し、セカンドライフを送っていこうじゃないかと思うようになった。

結果は…ダメだった。実家の近くの学校に幸い合格していたのでそこに通うことに。

それからは結局実家に残ることになった。人生の間ずっとこの街に残ることだろう。一人暮らしする期間がこれからあるか考えたが、無さそうだ。

ひそかに、もしその街に住むことになったら、その街の写真をいっぱい撮って、後々はいい場所を誰かに発表できるくらい詳しくなろうとも考えたけど、無理だ。でも正直自分の街のことも知っているようで知らない。




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最寄駅横にあるお洒落な建物。電車からこの建物のてっぺんしか見えなくて教会があると思ったが、普通の建物だった。一階がコーヒーショップになっている。意外と知らないこともあるもんだ。自分の街を好きになれるようにしたい。

お笑いを見に行く

私は漫才や新喜劇を見に行ったことがない。なんばグランド花月(=お笑いが行われるホール、略してNGK)にかなり近い所に住んでいるし、なんば駅周辺は一応知っているし、新喜劇はよくみてたし、隠れゲラだし、お笑いは好きなのに、お笑いの実物を見に行ったことがない。ここに住んでいると、芸人が身近に感じられるし、なんなら好きなタイプはと聞かれると面白い人と言いたいがそうすると相手が無理矢理笑かそうとする恐れがあるので、そうならないため優しい人などと言いごまかすぐらいだ。

住んでいるところから電車で20分くらいで着き、かつ学習塾のためよく通っていたし、よく遊んでいた場所にお笑いの劇場があるにも関わらず、そしてお笑いはどちらかと言えば好きなはずなのに、なぜか見に行ったことがなかった。

難波。NMB48NMBがここである。

長年の夢を叶えるべくなんばグランド花月に行った。一人で。
一日に3回くらい公演があるらしく、だいたい普通は何組かのコンビが漫才+落語家の落語+新喜劇というセットがお昼などにあり、たまに夜に違う趣旨で漫才だけの公演、あるいは一組のコンビが延々喋る公演、また芸人の有志達が変わったことをするなど、本当に多様だ。
私が行ったのは、「漫才三昧」。漫才三昧は何回も公演があるらしい。


いざNGK

南海通りという商店街をゆき、ゲーセンを越えた辺りで右へ曲がると、開け、左になんばグランド花月。芸人をもじったお菓子が売っているお店や、ラーメン屋があり、花月の前ではキャラクター化した芸人の着ぐるみがある。そして、芸人の声がマイクを通して聞こえて、たぶん行き交う人にチケットを薦めている、どこに声の主がいるのか分からない。誰?生きのいい声がするのだが。でも探してたら「そこのお姉さん」と呼ばれそうな気がしたので、そそくさと2階のホールへ向かう。

ネットでチケットを取ったとき、空席:◎だったので、平日だから空いているのか、と思ったが、大行列をなしていた。家族や子供連れ、そしてカップルだった。ホールの側で映画館の売店みたいなのがある。そこでポテトなど美味しそうなものが売られていたが、さすがに恥ずかし過ぎるので買わない。腹減った。誰か連れてくればよかった。

中へ入る。意外にテレビでみるより狭い。舞台との距離は近い。そして私の席は
結構前だった。こんな近くでテレビで見たことしかない芸人を見れるとは幸せだった。前から十何行目、一番左に座った。
横にカップルが座り、しかも開演5分くらいまで前の列に誰一人座らなかったので、なんとなく気まずかった。しかも彼氏の方が一人で堂々と座る私を見、緊張しながら横に座った。とりあえずホール横でもらった公演のチラシ5枚をじっと見ることを3回ぐらいした。


開幕。

と思いきや、前説の芸人がやってくる。男女コンビ。スーツのお兄さんと、緑の着物のお姉さん。どちらもすっごい声が通り、響き渡るので、なかなか気持ちがよかった。お兄さんは笑わせようとするのだが、噛んだり、観客がまだ笑う態勢じゃないのか、中途半端にウケ、発言するごとに少しずつ顔を赤らめる。お兄さんより一回り若いお姉さんはそんなの構わず、声がとても通る。そして特技のけん玉で最後拍手の練習が終わる。彼らの必死に盛り上げようとする計らいにより、いくぶんか場は温まり、和んだ。じゃじゃ馬というコンビらしい。ありがたい。

そして、始まる。舞台は奥行きが広く、かなりデカい。でもマイクは舞台のいっちばん前の中央に伸びる。幕が下がっても被らないくらいの、一歩歩くと客席に落ちるところにある。芸人たちは袖から「どうもー」と手を叩きながら、そこへたどり着く。どのコンビも、有名なのもあまり知らないのも、ベテランも若手も、冗談抜きで面白かった。初めて見に行ったからなのか、意外と差はないと思った。私は最初からずっと笑いっぱなしで、最後の方は酸欠で頭に血が回らなかったのか、集中できなくなってしまった。だから覚えていない。でも笑い声の絶えない100分だった。横の男にゲラと思われるのが気がかりだが。

終わって、さっとホールを出る。さっき出てたスーパーマラドーナのメガネの方が、チケットの束を持って客に声をかけていた。M-1の決戦一回戦で負けて、この人がヘラヘラしてたら、相方がハラハラ、すっごい悔しそうにしてたのを覚えている。「勝たなあかんねん」とか言っていた。がんばってほしい。

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100分笑うというのは、最近運動不足であった私にとっては一種のエクササイズであり、体が軽くなったのだろうか、なんば駅までかなりのスピードの歩行をしていた。なんか、今年一年間頑張れる元気をもらった。お笑いって最高だ。

世間

今週のお題「給食」

小学校入学時はなかったが、小4から水曜日だけ食べることになった。
そして、給食といっても、業者が作るご飯のことであった。
四時間目が終わると、その週の給食係が一階のおばちゃんのところ(=給湯室)へ行く。でっかい緑の箱が置いてあるので、それを二人か四人がかりで教室へ運ぶ。開けると中に赤のプラスチックのお弁当箱と黄色のがある。黄色に白ご飯が入っており、赤におかずが入っていた。


導入されたとき、大抵みんな不味いと言って、いやいや食べていた。あまりにも意見が一致しすぎて、謎に一体感が生まれていた。今同級生はその事実を覚えているのか分からないが、かなりすごい光景だった。ちなみに私はどんなときも「え、美味しいじゃん」とご飯を慰めるように言っていたような気がする。皆という世間を気にしない、あるいは抵抗する、変な子だったのか。


思えば、私はやっぱり変な子だった。帰るときの掃除の時間は15分だったのだが、いつも同じ2つのクラシック音楽が繰り返し流れる。音楽は今も昔も大好きだ。少し間だけバレエを習ってたのだが、メロディーに合わせて体を動かすことが好きだ。掃除は当然はかどるばかりでなく、廊下に出て雑巾を絞りにいくとき、バレエを舞いながら水道まで行っていた。


今はもちろんそんなことはしない。体が大きくなってきて、見た目も大人なのに、そんなことをしていると変に思われるからだ。いや、そう思われるからしないでおこうと控えているうちに、本当に恥ずかしくなったのだ。こういう面からすると、実に大人になったと認識されがちである。


しかし…大人なんて大したもんじゃない。本当はまだ踊りたいという気持ちはある。たまには殻を突き破ったり、違う自分も見せたりしたいと思うことがある。そんなことをいつすればいいんだろうと頭で考える。すると足手まといになっている。ぎこちない躍りがそこに出来上がる。