世間

今週のお題「給食」

小学校入学時はなかったが、小4から水曜日だけ食べることになった。
そして、給食といっても、業者が作るご飯のことであった。
四時間目が終わると、その週の給食係が一階のおばちゃんのところ(=給湯室)へ行く。でっかい緑の箱が置いてあるので、それを二人か四人がかりで教室へ運ぶ。開けると中に赤のプラスチックのお弁当箱と黄色のがある。黄色に白ご飯が入っており、赤におかずが入っていた。


導入されたとき、大抵みんな不味いと言って、いやいや食べていた。あまりにも意見が一致しすぎて、謎に一体感が生まれていた。今同級生はその事実を覚えているのか分からないが、かなりすごい光景だった。ちなみに私はどんなときも「え、美味しいじゃん」とご飯を慰めるように言っていたような気がする。皆という世間を気にしない、あるいは抵抗する、変な子だったのか。


思えば、私はやっぱり変な子だった。帰るときの掃除の時間は15分だったのだが、いつも同じ2つのクラシック音楽が繰り返し流れる。音楽は今も昔も大好きだ。少し間だけバレエを習ってたのだが、メロディーに合わせて体を動かすことが好きだ。掃除は当然はかどるばかりでなく、廊下に出て雑巾を絞りにいくとき、バレエを舞いながら水道まで行っていた。


今はもちろんそんなことはしない。体が大きくなってきて、見た目も大人なのに、そんなことをしていると変に思われるからだ。いや、そう思われるからしないでおこうと控えているうちに、本当に恥ずかしくなったのだ。こういう面からすると、実に大人になったと認識されがちである。


しかし…大人なんて大したもんじゃない。本当はまだ踊りたいという気持ちはある。たまには殻を突き破ったり、違う自分も見せたりしたいと思うことがある。そんなことをいつすればいいんだろうと頭で考える。すると足手まといになっている。ぎこちない躍りがそこに出来上がる。